続いて、スクールの運営統括部長・岡村 裕さんにお話をうかがいました。優しくてちょっとひょうきんな雰囲気で子どもたちを惹きつける岡村さん。次世代サッカー界を担う子供たちへの思いを語ります。
ーー本日のおいなりさん企画はいかがでしたか?
岡村 幼稚園児に、おいなりさんを食べたことがない子が結構いたことに驚きました。たぶんいまの若いお母さん年代の方があまりおいなりさんに馴染みがないのかな。小学6年生くらいの保護者の方は僕らと同年代なので、作ったことや食べたことがあると思います。
僕もすごくおいなりさんが大好きです。 今回、親御さんにおいなりさんのことを知ってもらう機会にもなって、よかった。子どもたちも皆、美味しそうに食べてたし。
ーーコーチ歴はどれくらい?
岡村 28歳(現在40歳)のときから指導を行っていて、幼稚園児から上は中学生まで。横浜FCは8年目です。それまではスクールの現場コーチや、女子のニッパツ横浜FCシーガルズの監督代行で指揮をとったりもしていました。
ーー子どもたちの食事に関して、なにか取り組んでいることはありますか?
岡村 トップチームのスポンサーであるLEOCさんが、僕らのアカデミーやスクールのスポンサーでもありますので、昔は栄養についてのプリントを配ったり、スクールでは練習が終わったあとに必ずおにぎりを食べましょうね、といったことを推奨してくれています。
ジュニアユースやユースチームには、ちゃんとご飯が用意されていて、運動後30分以内には栄養補給が義務付けられています。スクールではそこまでは行っていませんが、運動後に栄養を摂ることは大事だということは指導しています。
ーー岡村さんは選手の食事について、どうお考えですか?
岡村 もともと僕も選手としてプレーしているときに、栄養のことは気にしていて、運動後すぐに栄養を摂らないと身体が作れないというのは理解していました。
ただ、子どもたちは運動したらすぐに食べることが難しい子も多くて。将来サッカー選手を目指しているのであれば、食べることも重要だと教えています。他のクラブのスクールではあまり食事のことまでは指導をしていないので、食事の環境については恵まれていると思います。
海外でプレーしていたときには、クラブで朝昼晩の食事が用意されていて、管理が徹底されていました。ただ足りない部分もありましたので、特にビタミンCやたんぱく質などは日本から持っていって自分で補っていました。
ーー海外の選手は、食事に対する意識は高いのですか?
岡村 みんな高いですね。プロのサッカー選手を目指している人たちは量も食べますし、そのぶん動いていますし。やっぱり日本人は食が細くてフィジカルの部分で弱いと言われています。でも最近は食べることの大切さがわかってきていて、日本の若い選手でも身長が大きくて身体が強い選手が出てきているのは、そういった考えが浸透してきたからだと思います。
ーーヨーロッパでは"スポーツ栄養"は取り入れられていますか
岡村 理論的なものは日本のほうが進んでいるのかもしれません。栄養士のような栄養管理してくれる人がアドバイスを行うことが主流になってきていると思いますが、日本のように細かく指導することはまだないと思います。文化の違いもあると思いますが、ヨーロッパの人って雑なイメージがあって、適当なところも多くて(笑)。
体格も大きくて、僕がいたチームには203cmの選手がいて、この選手とどうやって戦おうかと考えました。日本人の特徴である敏捷性を栄養で補うことで身体能力の差を縮めることができるかもしれないと考えていました。
――日本の子どもたちの食事について、お感じになることは?
岡村 今の子どもたちは好き嫌いが多くて、でもそれを無理して食べさせてしまうとトラウマになります。合宿などで一緒に生活している中で、無理やり食べさせたりしてもだめですね。
保護者からは、うちの子は食べるのがゆっくりなのであまり急かさないでくださいだとか言われることもあります。また、アレルギーをもつ子も多くなってきたと思います。環境が良くなってきたぶん、いままで見えなかった部分が見えてきた。そのためにいろいろな問題が露出しているのだと思います。
僕が子どもたちとご飯を食べるときは、自らご飯を3杯食べています。大きくなるためには食べなきゃいけないってことを、指導者が見せていかなかればならないと思っています。食べた後はものすごくきついですけど(笑)食べることへの興味を引き出せたらなと。
ーー体を張ってますね
岡村 今の子どもたちは食が細くて、どうしても食べる量が少ない。その結果として成長するエネルギーも不足しがちになる。だから、必ずご飯を2杯食べてということ、好きなおかずは必ずお代わりしてといったような、食べる量を増やすための指導や誘導を優先的に行うようにしているんです。
子どもたちは肉が大好きなので、バーベキューではめちゃくちゃ食べます(笑) 肉ばかり食べてご飯をお代わりしたりとか。予測不可能なことが多くて、子どもたちの指導は本当に面白いですよ。
やっぱり食べることはとても大事だと思っています。当たり負けしないよう、強い身体をつくるためにも、子どもたちにはきちんと食事をとってもらいたいです。
今回は改めて食事の大切さに向き合う機会をいただき、本当にありがとうございました。
――こちらこそありがとうございました!
株式会社横浜フリエスポーツクラブ スクール事業部 運営統括担当部長
日本サッカー協会公認B級コーチライセンス
リエゾン草津、マルトロムS/A(ブラジル)、ミラソルFC(ブラジル)、ヴィクトリア・ケルン(ドイツ)、ユルドゥム・スポー(ドイツ)
北海道から沖縄まで2,200ヵ所以上の施設で食事を提供し、オフィス・工場の社員食堂、寮、学校、スポーツ施設などのB&I分野(ビジネス&インダストリー)と老人ホーム、病院、保育園、障がい者施設などのHC分野(ヘルスケア)の両マーケットで、バランス良くさまざまな施設に食事サービスを提供しています。
食事で様々のスポーツチームをサポートしているほか、Jリーグチーム「横浜FC」、フットサルチーム「エスポラーダ北海道」のスポンサー活動、また、トップアスリートをはじめ、アスリートのご家族、 スポーツ振興団体、スポーツ指導者などを対象に、スポーツ栄養に関する専門知識を教える各種セミナーも開催しています。
明治35年の創業から117年。凍り豆腐や味付けいなり揚げなどの大豆加工製品のレトルト・チルド商品製造・販売を行う長野県長野市の老舗メーカー。製造工程で出た排水処理からの副生成物で発電を行ったり、業務用肥料の原料として有効利用するなど、環境にやさしい技術を取り入れ、資源循環型生産を行っています。近年では、Inari-sushiは、“日本の元祖ファストフード”として、sushiと並び人気が広まり、欧米、アジア、アフリカなど、海外への輸出も増加中。また、毎月17日は「いなりの日」として記念日登録しており、普及活動も行っています。