ーー(石川氏、以下同)いなり寿司は好きですか?
斉藤 光毅 選手 大好きです。よく親が買ってきますね。
ーー今日のいなり寿司はどうでしたか?
斉藤 美味しかったです!
ーーよかったです。今度、試合後のリカバリーの食事にもいなり寿司を出そうかなと思っているんですが、どうでしょう?
斉藤 もちろん大丈夫です。
ーーさて、斉藤選手はジュニアユースの頃から横浜FCで活躍されています。昨年(2018年)、トップチームに入ってから食生活でなにか変化はありましたか? 身長や体重なども増えてきていると思いますが、それにしたがって変えたことなどはありますか?
斉藤 ユースからトップに上がって5~6kgほど体重が増えました。
ーーそれは筋肉量を増やしたということですか?
斉藤 そうですね。背はあまり伸びていないんですけど(笑)
ーーそれは誰かの指示で? それともご自身で?
斉藤 トップに入ってから当たり負けすることが結構あったので、体重を増やして筋肉ももっとつけなきゃと自分で思ったからです。特に練習後、できるだけすぐ食べるようにしましたね。
ーー年齢的にもまだ成長過程でありながら、その中でちゃんと筋肉で体重を増やせるというのは、ご自身の食事管理がしっかりできているからだと思います。具体的には、食事の内容として、どの部分を増やしたり、意識したのでしょうか?
斉藤 全体的にまんべんなく増やしました。
ーー理想的ですね。バランス良く全体的な食事量を増やすことが、筋肉量が増えたことにつながったのだと思います。LEOC食堂では、メンバーが変わると、おかずはもちろんサラダバーやフルーツバーも減り具合が変わるため、選手食べ方を見ながら献立をシーズンごとに調整しています。斉藤選手の場合、ユースの頃は野菜が苦手だったようですが、プロになってからは意識して食べるようにされているようですね。
斉藤 はい、家でも変わりました。公認スポーツ栄養士の国原(千佳)さんが母にも話してくれて。
国原千佳氏は横浜FCの公認スポーツ栄養士。国原氏のインタビューはこちら
ーー若手の選手にはまずヒアリングをして個々に指導を行いますからね。
斉藤 ユースのときにも食事調査をしてくれて。高校に行っているので、アスリート向けの食事を食べる機会がどうしても少ない環境でした。今は良い食環境になってありがたいです。
ーーサッカーを始めたのはいつ頃からですか?
斉藤 年中なので、4歳の頃からです。
ーーその頃からプロのサッカー選手になりたかったのですか?
斉藤 最初から目指していました。親は自分の好きなことをやれという感じでした。
ーー発育・発達を意識して食事を摂る時期もあったわけですよね。身長が急に伸びたとか。それはだいたいいつ頃でしたか?
斉藤 中学生くらいでした。
ーーその頃食べていたものと今食べているものは違いますか?
斉藤 全然違いますね。昔はとても偏っていました。
ーーどんなものを食べていましたか?
斉藤 ほとんどが肉。野菜が出ても食べませんでした。肉とご飯みたいな感じ。だから、だいぶ変わりましたね。
ーー今はまだ若さで乗り切れる部分もありますよね。年齢を重ねていくと体調やコンディションのことも考える必要が出てきます。今はLEOC食堂で食べることが多いと思うのですが、食堂以外での食事で気をつけていることはありますか?
斉藤 できるだけバランスを意識しながら食べていますし、そういう風に親も作ってくれています。一人暮らしになったら、僕は料理ができないので、外食になると思うのですが、栄養バランスを意識していきたいとは思っています。
ーーご飯、おかず、野菜、乳製品、くだものといったメニューの揃え方がわかっていれば、外食でも対応可能です。お菓子とか、間食をとったりしますか?
斉藤 以前はお菓子をたくさん食べていましたが、今はできるだけ食べないようにしています。
ーー食堂でもマフィンやゼリーなど、甘めのものを一品出すことがあります。でもそれは、試合前の追い炭水化物として。間食も栄養補給と考えて、食べるものを選べば良いのですよ。先日食堂では、ゴマをたくさん摂れるようにと「ごまサブレ」を出しましたが、斉藤選手が食べていたのが印象的でした(笑) 世代的に食べてくれるかなと思ったのですが、取ってくれていたのが意外でした。
斉藤 よく見てますね(笑)
ーー意外と好き嫌いはないのかなと
斉藤 今は、あまり好き嫌いはないですね。
ーー若手選手は好き嫌いをすることが多いので、それだけでも強味になりますね。
斉藤 もう18歳ですよ!(笑)
ーーその年代で食事のバランスを意識しているのはとても良いことだと思います。先輩に食事やコンディションの管理のことを学んだり聞いたりすることはありますか?
斉藤 食堂で皆さん食べるじゃないですか。あまり聞くことはないですけど、先輩方のメニューを見て学んでます。それと、ご飯に連れて行ってもらうこともあるので、そのときの食べ方を見たりして学んでいます。石川さんは、誰が何を食べているのかを、いつもチェックしているんですか?
ーー特に洗い場を見ると残したものがわかりますので、こまめに見ています。サラダバーやフルーツバーは各自で調整してもらっているので、量の減り具合をチェックしています。
ーー試合中に足がつったりすることはありますか?
斉藤 以前は頻繁につっていたんですけど、トマト食べるといいよと先輩から教わり、トマトを食べるようになったら本当になくなりました。そのせいで、なんかめっちゃトマト食べるようになって(笑)
ーー野菜類はカリウムが豊富に含まれているので、アスリートであれば積極的に摂ってほしい食材です。あとは水分補給もしっかりしているから、足がつりにくくなったのかなと思いますね。水分が足りなくなるとどうしてもつりやすくなるので。
斉藤 確かにそうですね。試合中の水分補給は意識してやるようになりました。
ーー試合の後半に疲れを感じたりしますか?
斉藤 めちゃくちゃ感じます。それは自分の体力の問題なので、もっともっと上げたいと思っています。
ーープロテインなどサプリメントは摂ってますか?
斉藤 筋トレの後はプロテインを飲んでいます。あと練習前、練習後にアミノ酸入りのゼリー飲料を飲んでいます。
ーープロテイン補給で身体に変化はありますか?
斉藤 わかんないっす。
ーー効果を感じないくらいが安心かも(笑) すごく変化を感じているようだと、それは栄養不足状態ということですから。でも食事までの時間が空いてしまうこともあるので、そういうときに摂れるアイテムをもっているのは大切だと思います。
ーーLEOC食堂で一番好きなメニューは何ですか?
斉藤 ありすぎて困ります(笑) みんな本当に美味しいので!
ーー佐藤謙介選手には先日のカツカレーを絶賛していただきました(笑)
斉藤 そう、その日たまたま予定が入っていて食べられなかったんですよ! いつも食堂で食べているのに。ホントに食べたくて......。
ーー食堂の利用頻度はどのくらいですか?
斉藤 家が遠いので、朝食は家で食べてきますが、昼食と夕食はほとんど食堂で食べています。
ーーご実家の朝食はどんなメニューが多いですか?
斉藤 だいたい毎日一緒ですね。ご飯と味噌汁に、納豆、卵、ヨーグルト、牛乳です。親は僕が食べるものをわかっているので、常に冷蔵庫に用意してくれています。
ーー良い常備菜だと思います。常にそれらが冷蔵庫にあって、ちゃんと自分でも摂っているというのは素晴らしいですね。
ーーサッカーを続けてきて、身体がかわったなと思ったことはありますか?
斉藤 今ですね。周りからも身体つきが変わったと言われます。
ーーやはり体重が増えたことが大きい?
斉藤 そうですね。体重データを見ると、かなり変わっていることがわかります。
ーー目指している身体はありますか?
斉藤 海外の選手にも当たり負けしないような身体にしたいですし、その上で速く動けるようになりたいです。そういったことを食事の面でも意識してやっていきたいと思っています。
ーー怪我も気をつけたいですよね
斉藤 そうですね。僕は怪我が多いので。でもお菓子とかを制限するようになって怪我が減りました。(因果関係は)わからないので自己満足ですけど(笑)
ーー今後は海外も視野に入れてプレーしていく中で、海外遠征のときに自分で調整していることはありますか?
斉藤 野菜について、生野菜は食べないように指示があるので、温野菜を食べるようにしています。
ーー遠征中の睡眠時間も気にしていると聞いていますが
斉藤 事前にチームから指示があるので。試合時間から逆算して調整しています。移動時間が長いので、時差ボケ対策としてここの飛行機では眠って、ここでは眠らないとか。
ーー完全オフの日は何をしていますか?
斉藤 だいたい出かけます。でも結構ダラダラもしてるかなぁ......。たまに兄とサッカーをしたりもします。リラックスしまくってます(笑)
ーー最近、試合後にリカバリーの食事をスタジアムで出すようになったのですが、いかがですか?
斉藤 あれはめちゃくちゃ良いと思います!嬉しいです。
ーーそれはよかった!ご飯や麺類とかも、最初は試合後なので重たすぎて食べづらいかなと心配していたのですが、割と皆さん食べてくれていて。
斉藤 感覚的なものですけど、試合が終わった後に「なんか体調を崩しそうだな」ってわかるときがあるんですよ。でも、リカバリーの食事を食べてその感覚が無くなったりするんですよね。本当に助かります。
ーーそう言ってもらえると嬉しいです。リカバリー用の食事でも野菜とフルーツを必ず出すようにしていて。斉藤選手はそれをちゃんと食べてくれてますね。試合後は食欲が出づらいときだと思いますので、もし食べたいものとか、リクエストがあれば言ってください。選手の皆さんが食べやすいものを出したいと思っています。
斉藤 僕は何でも大丈夫です!
ーーこれからの目標や目指すものはありますか?
斉藤 できるだけ早くA代表に入りたいですし、海外にも行きたいと思っています。そのためには、絶対に怪我をしない身体をつくっていきたいです。この身体つきではまだ甘いと思いますので。もっと食事を大事にして、体重を増やしたいです。
ーー斉藤選手が肉だけではなくて野菜も食べるようになったことが、より上を目指しているからこその意識の変化からきていることがわかりました。これからもLEOC食堂でしっかりと食べているところを見ていきたいと思います。今日はありがとうございました。
斉藤 ありがとうございました!
斉藤 光毅(さいとう こうき)
北海道から沖縄まで2,200ヵ所以上の施設で食事を提供し、オフィス・工場の社員食堂、寮、学校、スポーツ施設などのB&I分野(ビジネス&インダストリー)と老人ホーム、病院、保育園、障がい者施設などのHC分野(ヘルスケア)の両マーケットで、バランス良くさまざまな施設に食事サービスを提供しています。
食事で様々のスポーツチームをサポートしているほか、Jリーグチーム「横浜FC」、フットサルチーム「エスポラーダ北海道」のスポンサー活動、また、トップアスリートをはじめ、アスリートのご家族、 スポーツ振興団体、スポーツ指導者などを対象に、スポーツ栄養に関する専門知識を教える各種セミナーも開催しています。
明治35年の創業から117年。凍り豆腐や味付けいなり揚げなどの大豆加工製品のレトルト・チルド商品製造・販売を行う長野県長野市の老舗メーカー。製造工程で出た排水処理からの副生成物で発電を行ったり、業務用肥料の原料として有効利用するなど、環境にやさしい技術を取り入れ、資源循環型生産を行っています。近年では、Inari-sushiは、“日本の元祖ファストフード”として、sushiと並び人気が広まり、欧米、アジア、アフリカなど、海外への輸出も増加中。また、毎月17日は「いなりの日」として記念日登録しており、普及活動も行っています。