ーー(石川氏、以下同)今日のおいなりさん、どうでしたか?今日は"アレンジいなり"にしてみました。
佐藤 謙介 選手 美味しかったです! いなり寿司にもいろいろあるんですね。
ーーいなり寿司は好きですか?
佐藤 好きです! 食べやすいので。試合後や練習後、疲れているときに摂りやすいので良いですよね。
ーー今日の「梅ロールいなり」は梅酢で味付けしてあるので、さっぱり食べられたのではと思います。鶏ささみ、きゅうり、大葉、卵焼きを巻いて卵焼きを巻いて具沢山にしてみました。
ーー佐藤選手は大学卒業後に横浜FCに入団して以来ずっとこちらで食事をしているわけですよね
佐藤 そうですね。ここでご飯を食べて、大きな怪我をしたことがありませんので、そういうことじゃないですか(笑)
ーー「LEOC食堂育ち」ですね(笑)
佐藤 はい、長くお世話になっています。昼食と夕食はLEOC食堂で食べてます。夕食は家で食べることもありますけれど、練習が終わって治療やマッサージして夕食もここで食べることが多いですね。だから家で食べるのは、今は朝食だけになってます。
ーー朝食は奥様が用意しているのですか?
佐藤 そうですね。
ーーどういったものが多いですか?
佐藤 結構いろいろと考えてくれていて。野菜は確実にとりますし、お米を中心にお味噌汁も出て。基本的には和食です。最後はヨーグルトとフルーツも出してくれます。お金がかかってしょうがない(笑)
ーーこちらで出している朝食とほとんど変わらないことを、家でも実践されているのはすごいと思います。毎朝フルーツまで出すのはなかなか大変なんですよ。どこへいても安心して食事ができますね。そういったことが怪我をせずに長く第一線でプレーできることにつながっているのではと思います。
ーー奥様もいろいろと勉強されているのですか?
佐藤 ありがたいことに、結婚するタイミングで「アスリートフードマイスター」を取得してくれました。
ーーすばらしい! ご家族の食をサポートするための知識を身に付けられたのですね。
ーー食堂で普段の様子をみていると、ご自身のお腹の状態なども結構しっかりと把握していて、その中で選べるものを自分で調整して選んでいることがわかります。体調管理などは敏感にされているのかなと。
佐藤 そうですね。体調を崩して試合に出られない、練習ができないといろいろな人に迷惑がかかるので、そこだけはしっかりやらなきゃいけないと思ってやっています。
ーー大学時代とプロになったときで食事の管理の方法は変わりましたか?
佐藤 もともと線が細くて、入団した頃の体重は今より7~8kg少なかったんです。やっぱり体重を増やさないとプロの世界では通用しないので、当時は身体をつくるために1日5食摂っていました。朝食、昼食、夕飯の前に1食、夕食、寝る前に1食という生活を繰り返していました。そして、このほかにもプロテインを使ったりしていました。
それと、大学のときはとにかく量を食べればいいと思っていましたが、横浜FCに入ってからはバランスが大事なことがわかりました。例えば、菓子パンやラーメンとか、炭水化物だけを摂っても効率が悪くて。身体をつくるためには、ほかの栄養素もバランス良く摂らなければならないことがわかるようになりました。
ーー学生時代はバランスのことはあまり考えなかった?
佐藤 食事が原因なのかはわかりませんが、体調を崩すこともありましたし。ただ、横浜FCに入ってから、一つひとつ細かいことを気にするようになって、怪我しなくなったことはもちろん、体調を崩すこともなくなりました。やっぱり成果が結果に出ているので続けなきゃと。続けないとダメなんだなと思うようになりました。
ーー好き嫌いはありますか?
佐藤 昔は野菜が苦手でしたけれど、年齢を重ねるにつれて嫌なこともやっていかなくてはと思うようになって(笑) 食事のことは特に。だから好き嫌いせずに食べるようになりました。チームにいると自分で何かを考えたり準備したりする必要もなくて、すでに栄養バランスの考えられたものが揃っていて、出されたものを食べていくだけで良いので、ある意味すごく楽です。こうった環境で、嫌いだから食べない、という選択もできてしまうのですが、今はそうせずに、好き嫌いせずに食べることをしっかりやっています。
ーープロフェッショナルですね
佐藤 ここにいると、カズさん(三浦知良選手)をはじめ諸先輩方が率先して示してくれているので。若い選手とか、僕もそうですけれど、しっかりやらなきゃいけないなと思うようになります。
ーーすごいお手本がいらっしゃるから
佐藤 そうですね。お手本がたくさんいるぶん、そういうことがやりやすいです。
ーー特にパフォーマンスを上げるために実践している試合前の食事法などはありますか?
佐藤 いちばん気をつけているのは、試合前日は炭水化物を多く摂ることです。例えば体重管理ですね。普段であれば体重は69kgで管理しているところを、試合の前はそれよりも1kg上げておきます。体重が落ちやすいので、その分をしっかりと蓄えたいと考えています。それと、試合に限らず練習が終わったあとにも、20~30分後までには何かしら口に入れるようにしています。
ーー最近は試合後にスムージーなどのリカバリー食をスタジアムに用意しています。試合後できついときもあると思うのですが、選手の皆さんはよく召し上がってくれていて。やはりスムージーのような喉越しのよいものがいいですか?
佐藤 そうですね。入っていきやすいし。固形物、例えば麺類なんかよりもそういうものの方が摂りやすいですね。
ーーこれからも厳しい試合が続くのでメニューを調整したいと思います。
佐藤 僕は30歳、もうすぐ31歳になるんですけど、それぐらいになると身体に変化が出てきますし、今までは(これだけで)良かったことが、それだけじゃダメになることもあります。
今までは試合が終わって体重が落ちても、次の試合までには戻っていたのですが、なかなか戻らないようになりました。それこそ、先ほどの試合の前日に体重を増やしておく方法は、ベテランの先輩からのアドバイスです。
ーー体重管理をしっかりされているんですね。
佐藤 そうですね。横浜FCでは毎日の練習前と練習後に体重を測って管理しているので、今の自分がどういう状態なのかを常に把握できます。あと血液検査が3カ月に1回あって、血液検査の結果が悪いときには、振り返るとその間の試合のパフォーマンスも落ちていたり、逆に結果が良いとパフォーマンスが良かったり。そういったことが目に見えてわかるので、どの状態がいちばん良いのか考えながらやることが大事だと、ベテランの選手たちとも話をしています。
ーー佐藤選手はストイックというか、真面目に取り組んでおられるので、いつもすごいなと思っています。
佐藤 そんなことはないですよ(笑) それが普通になっているので。別にこういったことがキツイと思っていませんし。というよりも、横浜FCの場合は朝昼晩の食事を出してもらえるので、特に考えずに与えられたものを食べるだけ。他のクラブより恵まれていると思いますね。
ーープロテインなどサプリメントは摂っていますか?
佐藤 毎日プロテインは摂りますし、僕は貧血気味になることがあるので鉄分をサプリメントで摂るようにしています。
ーー食事はしっかり摂っていても、体重が落ちやすいなら、プロテインも上手く取り入れたほうがよさそうですね。
ーーお酒は飲みますか?
佐藤 若い頃は試合が終わった後、お酒を飲んだこともありましたが、怪我のリスクがどうしても高くなるので、お酒は基本的には飲みません。ただ、たまに1杯くらい飲むときもありますけれど。
ーーアスリートでも競技によっては飲んだりしている方もいますが、サッカー選手の皆さんは自己管理の考え方がしっかりしているというか、意識の高い方が多い印象です。
ーー甘いものは?
佐藤 食べないですね。家に帰っても食べることはほとんどないです。たまにチョコレートやシュークリームを食べることもありますが。嫁の目も怖いので(笑)
ーー奥さんの存在は大きいですね(笑) 最近お子さんが生まれて、なにか変わったことはありますか?
佐藤 夜、子どもが泣いたりしても、(奥さんは)睡眠が大事なことがわかっているので、寝る部屋を別にしてくれたり。サッカーに集中できる環境をちゃんと考えてくれているので、ありがたいです。でも逆に申し訳ないなと。その分ちゃんと稼がないと(笑)
ーー食事だけでなく休養も意識されているのさすがだなと思います。睡眠の質が落ちてくると、糖質代謝や持久的パフォーマンスにマイナスの影響を及ぼす可能性が指摘されています。完全休養の日をきちんと設けていますか?
佐藤 はい、試合の次の日がリカバリーで、その次の日が1日オフなので、その日は食べたいものを食べることにしています。毎日節制しているとストレスにもなりますし、食べたいものを食べて、やりたいことをやるようにしています。リフレッシュした翌日からまたハードなトレーニングが始まります。
ーー息抜きも大事ですよね
佐藤 大事だと思います! 本当に。
ーー1週間のサイクルがしっかりとできていますね。佐藤選手は2011年の入団以来、コンスタントに試合に出場されています。これだけの長い期間、同じクラブで出場し続けるということは、今日伺ったお話の賜物なのかなと実感しました。これからのさらなる目標はありますか?
佐藤 一個人としての目標は、1年でも長く現役を続けることです。そのためには、トレーニングはもちろんのこと、食事についても常に100%で、一つひとつに対して行っていくことが目標です。これから年齢が高くなると、ますます身体にも負荷がかかってくると思います。そのぶん何かを犠牲にする必要もあると思いますが、自分が好きなサッカーをするためなので。1日でも長く好きなサッカーを続けられるように頑張ります!
ーーこちらもバックアップ頑張ります!
北海道から沖縄まで2,200ヵ所以上の施設で食事を提供し、オフィス・工場の社員食堂、寮、学校、スポーツ施設などのB&I分野(ビジネス&インダストリー)と老人ホーム、病院、保育園、障がい者施設などのHC分野(ヘルスケア)の両マーケットで、バランス良くさまざまな施設に食事サービスを提供しています。
食事で様々のスポーツチームをサポートしているほか、Jリーグチーム「横浜FC」、フットサルチーム「エスポラーダ北海道」のスポンサー活動、また、トップアスリートをはじめ、アスリートのご家族、 スポーツ振興団体、スポーツ指導者などを対象に、スポーツ栄養に関する専門知識を教える各種セミナーも開催しています。
明治35年の創業から117年。凍り豆腐や味付けいなり揚げなどの大豆加工製品のレトルト・チルド商品製造・販売を行う長野県長野市の老舗メーカー。製造工程で出た排水処理からの副生成物で発電を行ったり、業務用肥料の原料として有効利用するなど、環境にやさしい技術を取り入れ、資源循環型生産を行っています。近年では、Inari-sushiは、“日本の元祖ファストフード”として、sushiと並び人気が広まり、欧米、アジア、アフリカなど、海外への輸出も増加中。また、毎月17日は「いなりの日」として記念日登録しており、普及活動も行っています。